AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ありがとうは繋がる

デリシャスパーティ♡プリキュア

第44話「シェアリンエナジー!ありがとうを重ねて」

感想レビュー

 

 

戦いの中で感じ取ったフェンネルの孤独と苦しみに同情して啜り泣きながら崩れ落ちるマリちゃん、寄り添う優しさと慈愛に満ち溢れていてこのクライマックスでなお好感度爆上がりでしたね...人々を苦しめる諸悪の根源として戦う覚悟を決め対峙してなお、かつて一緒に過ごした仲間として想う気持ちや見捨てられない気持ちがあったからこそその苦しみを知って感情移入してしまったんだろうなぁ 良い人やで  そうして崩れ落ちたマリちゃんに手を差し伸べるシナモンもクッソイケメンで好き 本作味方サイドのおじさん達のキャラ造形や好感度が高すぎるY

 

 

復活を果たしたプレシャスも合流し、遂に始まるフェンネルとのラストバトルを描いた今回のエピソード。ド直球のザ・最終決戦、という感じの迫力満点のバトルを中心に、ハラハラするピンチと大逆転のカタルシスが本作ならではのテーマにガチっとハマる形で劇的に描かれた展開も実に熱い話になっていましたね。クライマックスとはかくたるやという感じの良さが溢れてて最高だったぜ...

しかし本作も長いこと追っかけてきましたがとうとうラスト2話、来るとこまで来たなぁと感慨深いですね...マジでもう来週最終回なん...(寂寥感)

 

そんな今回だけどまず何が良かったかって聞かれればまぁはちゃめちゃに力入りまくってた作画、主に戦闘シーンの作画だよなぁと。冒頭からいきなりハイスピード且つ奥行きある動きで駆けまくって惹きつけてくるし(振り向くプレシャスの動きさえぬるぬるでちょっとびびった)、後の戦闘でもプリキュア達のアクションや必殺技のエフェクトの冴えが凄いスピード感と滑らかさで表現されバトルの熱量をガンガン上げてくるのでずっとボルテージ高めに引き込まれてましたね...実際映像で見ないとどんくらい凄かったかが伝え切れないのがもどかしい...!(「にゅるにゅる動きまくってた」くらいでしか言葉では表現し切れないのよ)  前作トロプリは線粗めのタッチと敢えて枚数少なめにして外連を効かせたアクションの表現で荒々しく魅せていたのに対し、本作は柔らかな線や色味といった本作らしいタッチを保ちつつも動きの滑らかさや陰影の付け方、3次元的で奥行きのあるアングルの魅せなどをひっくるめてキレと躍動感に溢れたバトルを演出してた感じだったので、また違った味わいがあってそこも良きでしたね

またそんな作画の良さを後押しする演出周りもめちゃくちゃに良かったところ。優しく希望に溢れたメロディと歌声が沁み入る挿入歌キズナスペシャリティ」がマジのラストバトルをしっとりと、それでいて熱く盛り上げる様はとても気持ち良くここぞでのプレシャスの一撃を前にしてナレーションに徹してたおばあちゃんが、その枠を越えて純粋なエールを送るのも実に粋であり、といちいちグッとくるポイントを的確に押さえてくるのが流石でしたね  500→1000→2000と着々とカロリー数積んできたプレシャスのパンチの完成形が「おなかいっぱいパンチ」である、という本作らしい洒落を効かせた文脈の乗せ方も面白かった 本当に本当の最後のフィニッシュになるのが新しい必殺技とかでなくいつものライト・マイ・デリシャスだったのも地味に好きなところ。最後に発現する新しい技でのフィニッシュも良いけどやっぱいつもやってた技でバチコンと決めるのも安心感あって気持ち良いし、何より「みんなで『ごちそうさまでした』で決める」という本作らしい味わいを煮詰めた技なのでこれで決めてこそ、って感じだったからね

 

そしてそんな迫力満点のバトルと共に本作のクライマックスをしっかり熱く彩ったドラマ面もまた凄く良かったところでありました。「自分一人がジンジャーに選ばれ認められたい」という願望を表すようにジンジャーと同様の猫を象った怪物へ変貌したフェンネルの暴走に対し、ジンジャーやおばあちゃんが色んな人達の感謝を繋ぐために置いた「招き猫」がみんなの想いに呼応してプリキュアをはじめとした世界中の人々の希望・力となり道を切り拓くという、「猫」を同一の要素としながらもフェンネルプリキュア達との対照的な精神性の下で明暗がくっきり分かれ戦況が一気に良き方へとひっくり返る流れ(今まで伏線的にゆいパパが世界中で人と人の縁として招き猫を配ってた描写がここに来て世界中で巻き起こるピンチを覆す流れとなる劇的な伏線回収に凄く感嘆したし、その逆転の中でナルシストルーくんやセク姐が笑顔を守るために満を辞してやって来てくれたり助けてくれたりするのがベタベタのベタながらも今までの蓄積がしっかり効いて熱かったりと、節々の描写がまた良い後押しになっててアガったね)、そしてそこからゆいが、感謝の気持ち/「ありがとう」のバトンが色んな人へ繋がり重なることで生まれる力を直に感じ、その自分自身が感じた真っ直ぐな想いを自分の言葉で表しフェンネルへ届けるというところへ繋がっていく、という、「『美味しい』から生まれる想い─感謝の気持ち」「言葉のバトン」「自ら感じた想いで紡ぐ言葉」といった本作の色んなテーマが一気にぎゅっと集約・昇華されていく展開運びが凄く鮮やかで気持ち良かったよなぁと。一人でがむしゃらに突っ走ってフェンネルとの対話に失敗してしまった前々回を経て、今度は仲間達とも一緒に支え合いながら立ち向かい、「ありがとうの想い」が人を繋げることで生まれるものの尊さを自らの心で理解し、それがフェンネルの中にもジンジャーから受け継いだものとしてたしかに繋がっているのだと自分自身の想いと経験でもって言葉にしてぶつける、といった形で、終盤におけるゆいの「おばあちゃんから受け取った言葉のバトンを今度は自分自身の経験からくる自分自身の言葉で繋いでいく」を劇的にまとめ上げ着地させたの凄くグッときましたね...「ジンジャーに執着しつつも今はもういないからその想いなど確かめようがないと頑なになるフェンネルに対する「大切な人だったおばあちゃんがいなくなった悲しさを経験しつつも、その想いを言葉としてしっかり受け取り繋ぎ続け、自分自身を押し進める力に変えてきたゆい」というゆいとフェンネルの対比の構図がくっきりと浮かび上がり、鏡写しの者同士・アンチテーゼ的なところで主人公とラスボスとしての関係性がグッと深まったのも、終盤の対決の構図とメッセージ性の強調としてグッドであった  ここで喪服でおばあちゃんの喪失に涙しながらもその想いを受け継いでまた前を向く幼いゆい」「それを見守るような遺影の中のおばあちゃんの笑顔」というおばあちゃんのお葬式の断片的な描写が、(フェンネルとの対比の強調も込みで)離れ離れになっても託された想いでしっかりと繋がっていたゆいとおばあちゃんの関係性をより強く印象付けるアクセントになってたのもまた好演出でしたね  おばあちゃんのお葬式の描写は(僅かな尺とはいえ)正直子供向けの作品的には重くシビアな描写だったろうし、そこを描かないようにしても問題はなかったかもだけど、ここでゆい周りの構図をより一つグッと深めるためにちゃんとゆいがまた前を向くところまで込みで向き合って描いたところは真摯だったなと思います 小さいお友達的には難しいかもだし色々知って切なくなるかもだが、お父さんお母さんが寄り添い支えながら教えてあげて欲しいね

 

かくしてフェンネルとの戦いは決着しつつも、倒れたフェンネルが光の中へ落ちていき、プレシャスもそれを追って光へ...というラストで次回へ引き。ここまでにめちゃくちゃテンション上がってのめり込みながら観てたのと演出的にもう少しCパートくらいまで続きそうな感じがしたのとで、CM挟んでEDが始まった時つい「えっ今日もうここで終わり!!?」と驚いたのは内緒だ(時間経つのを忘れてた...)  フェンネル、「ジンジャーに自分だけを認めて欲しい」「自分だけが良ければいい」を地でいき全てを支配しようとしたけれど、それでも諦めず想いや希望を繋いでみんなが立ち上がり立ち向かい、いつしか形勢がひっくり返ってしまったために本当の意味で「独り」になってしまい慟哭する構図があまりに皮肉であったけれど、最後の最後には救われて欲しいなぁ...身勝手で捩れた奴だったけどその心情は理解できるからな  そこも込みで次回、どういう形で締めるか楽しみですね

 

...そんな今回のデパプリだったけど、気になってるところが一つだけ。

なんで招き猫大行進の時らんらんの実家のパンダまでしれっと動き出してたんすかね()  しかもやたらめったら強いという(なんでだよ)  フォロワー氏が「熊猫(パンダの中国語名)だからじゃない?」って言っててあーなるほどとはなったけど、それはそれとして「なんかノリで動けるようになった」とかだったらおもしれーなとも思う(

 

 

以上、デパプリ第44話でした。映像的に力の入りまくったバトルでガンガン盛り上げつつ、デパプリならではのテーマや課題にもしっかりグッとくる着地を見せてくれた熱いラスト1話前のエピでありました 改めて言うけどまさにラストバトルかくたるやという感じのストレートに良い演出やドラマに溢れてましたね

という感じでいよいよ次回は最終回 もう今回でかなり盛り上げに盛り上げまくってくれたところであるけれど、ここからどういう風に締め括るのかとても楽しみですね デパプリのフィナーレ、座して待ちます

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた