AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

暴れ牛

仮面ライダーギーツ

第21話「乖離Ⅴ:ゲイザーの鉄槌!」

感想レビュー

 

 

推しへのギフトを他のプレイヤーに奪われだいぶガチにキレるケケラさん、だんだん面白と化してきたな...() もう怪しい奴という雰囲気が薄れてきてるまである シークレットミッション、支持してるプレイヤーが真っ先にやりそうなことを指定してギフト贈れるご贔屓措置とはいえあくまで狙って贈れるわけではないから他のプレイヤーに横取りされる可能性もあるよというのを一応ちゃんと描いたのはアクセントとして良かったですね 今後も同じようなことがじゃんじゃん起きて欲しい

 

デザスターを取り巻いて進むDGP、そして道長を台風の目として更に動いていく物語を描いた今回のエピソード。ニラムが新たな運営サイドライダー・ゲイザーとなって猛威を振るった展開もあり、随所の展開運びが派手に映えた回だったかなと。グレアの色変えではあるけど白と金(とアンダースーツのネイビー)が高級な趣となって煌びやかに映ったゲイザーのデザイン割と好きだわね 変身ポーズもなかなかスマートでありつつ程良く凝ってて良い  ファンネルを駆使したバリアで不動のまま敵をあしらう余裕ある佇まいと、バッファの散らした泥が跳ねたマスクをハンカチでわざわざ拭ったり倒れたバッファの上に乗ってからげしげしと足蹴にしたりといった苛立ちとネチネチさを感じる動きが両立してるのが、上っ面の穏やかさとその裏に隠れた神経質さみたいなニラムのキャラを表してそうなのも良い演出であった 加えて道長に対する態度の変遷からはDGPというゲームやそこに参入する人間の魅せる姿に対する拘りの強さ、そこから生じる気まぐれにも見える立ち回りや態度の揺れ動きといったところも見えてくるし、総じてニラムはキャラクター的な軸は感じ取れるもののそれらが複雑に絡み合って次の瞬間どう動くのか読めないキャラになっているという面白さが出てきた感じありますね 

 

しかし話の途中からほんのりとあれ...?とはなったけど、前回のラストカットからのデザスター冴さんじゃない、尚且つ祢音がデザスターな展開は普通に意表を突かれて面白かったすね(前回の時点でもミスリードを説く人はいたけど正直まさかという感じだったのでな)

そんな冴さん周りのストーリーは「家族」「愛」の要素を軸に祢音との関係性を良い感じに膨らませて締め括った良いドラマになっていたなと思います。自分自身の勝ちへの貪欲さというところは常にありつつも、自分の願いにもある「愛」に目を背けることはできなくて景和や冴さんの家族のことに思わず深入りしてしまう祢音の良くも悪くも矛盾した人間臭さと、その中に自分が本当に欲しかった家族の幸せの根幹を見て肩入れした(してしまった、とも言うべきかもだが)冴さんの人の良さが文脈的に上手く乗ったストーリーになってたんじゃないかなと。他者に入れ込むことのたまにある冴さんの根っこの善性は随所で描かれていたしそこにもちゃんとハマってて良かったよ

あと意図してかせずしてかは分からないけど、この辺の冴さん一連の言動には「自身の願望への欲求を越えた先に滲む自己犠牲」「自身の願望の本質・意味の理解への到達」というところで以前謀略編に登場したケイロウこと一徹さんとも通ずるものが感じられて、何としても叶えたい願いとその欲求の先に滲むヒーロー性みたいなものも本作の描きたいものの一つなのかもなぁと思ったのも面白かったところ。2人とも詰まるところ、自分の願いの成就に必要なものがすぐ近くにあったこと=その願いが誰かを蹴落としてでも叶えたいものではないことに気付いたからこそ誰かのために命を張れるようになったという感じだと思うし、こういうアプローチでのヒーロー(ヒーロー性)の描き方は本作らしくて良いなと思ったというか(これをサブライダー達を通じて描くというのも独特で面白いよなと思うわけで)  今は(随所に人の良さとかは垣間見せつつも)自身の願いに貪欲になってる側面が濃いめなメインキャラ達もいずれこういうところが強まっていったりするのかな、というのはちょっと楽しみですね 願いの内容や各キャラのドラマの雰囲気的に言うと祢音が意外と真っ先にそういう方向に進みそうな気もしてるがはたして

 

そして相変わらずDGPと並行して進む道長周りの展開、こちらが割とグッと押し進んだのも目を惹いたところでありました。大智もしれっと参入してきてジャマトサイドもけっこう賑わってきましたね...ただ今までキャラクターの入れ替わりが早かった分(相対的にではあるものの)ちょっと渋滞起こしてきた感もあるのでこれから上手く回っていくかは不安半分でもあり

しかし道長トリックスター/ジョーカーみたいな立ち位置さえも越えてどんどんと「厄介なヤツ」になり始めてるのは今後の展開を追う上で気になるところ。本人としては「ライダーぶっ潰す」という大元の目的を地で行けてるのでアリなんだろうし自分としてもそういうところを突き詰めた第三勢力となるのが味になってくと思ってたんだけど、他の視聴者さんが言ってたように現状の道長の行動は「自分の欲望のために他のライダーを痛めつけ踏み躙っている」という、かつて自分の友人を亡き者にしたライダー達と同じ形になっちゃってるので、この皮肉はちょっと見過ごせないよなとなるんですよね..自分のことしか考えず友人の命を奪ったライダーへの復讐のためにライダーを潰す力を得る願いを叶えるべくライダーになった男が、その願いに肉薄する力を手にするも結果自分のことにしか目を向けなくなり、自分の願いの根幹たる「他者を踏み躙る者=ライダー」を体現しているという構図はだいぶ意図的だと思うし、道長がゆくゆくはここにどういう感情を抱くかは肝だよなと思うところであり。

ともあれ、こうして苛烈さを強めていき、尚且つベロバやニラムといった面々の思わぬ後押しを受けてDGPを掻き回していく台風の目になっていく現在の展開、一体どうなっていくかは気になりますね...手段を選ばず目的を為そうとする一際強い貪欲さやそのために執拗に生にしがみつき喰らいつくしぶとさは(そこにへばりつく皮肉さも込みで)キャラクター的・人間的な魅力だと思うし、どう跳ねていくかというところでは一番楽しみである こんなヤツが実質的な不死身特性まで持ってんのそら面白いことになりそうとなるわ...偶然に助けられて生じたバグ、存在するのがおかしい“嘘”の存在ではなく、果てしない欲望・貪欲さが存在させている“必然”の存在であるとしてニラムが道長を目こぼししたのも、そういう人間的なパワーの発露に見出すものがあったからだろうしな

 

 

以上、ギーツ第21話でした。冴さん周りの展開運びでドラマ面を盛り上げつつ、そこに絡める形で祢音のストーリーを一つグッと押し進めたり、並行する道長周りの展開が面白く広げてきたりといった展開が目を惹くエピでしたね。創世の女神なる存在、ギーリバでも触れられた英寿の正体およびそこに連動した運営やオーディエンスの正体など本筋に関わる内容も濃く押し出されてきたし、この先の展開から目を離さないようにといったところか 展開運びにちょっと渋滞してきた感があったり、キャラの性格面の描写に引っかかりを感じる人が目立ってきたりと少し勢いが減速してきそうな雰囲気もあるのでそこをなんとか跳ねさせても欲しいですね(中盤をどう乗り切り繋いでいくかは実際に肝であるし期待したい)

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた