AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

リアリティ・ショー

仮面ライダーギーツ

第23話「乖離T:いざ!推しのためなら」

感想レビュー

 

 

仮面ライダーベロバ、女性ライダーであの腕と脚と胴のムチムチ具合はインパクト強すぎだろ(違くはないんだけど語弊のある言い方)

ベロバもレーザーレイズライザー持ってたし変身するとは思ってたけどちゃんと新しいスーツ作られるかどうかがちょっと微妙だったし、そこにおいてあんなデカブツのイロモノがお出しされたのはけっこう素直にたまげましたね...巨大戦力とかでなく普通に「仮面ライダー」扱いっぽいのぶっ飛び過ぎだろ(アークとかコアとかいるけどもさ) でも長身のキジだの二頭身のイヌだの男の子プリキュアだの成人プリキュアだのと同期作品達がめいっぱい型を破ってたのもあって思ったよりは驚かなかったとこもあるのよな(あぁデカいライダーか...そういうのもアリなのね、くらいで収まったというか) 多様性の時代だなぁ(それで済ませていいのか

ちなみに仮面ライダーベロバ、有志の検証によるとCGグラフィックとしてはブレイキングマンモス(ギーガー)のものが流用されてるそうだけど、ほんとにベースに使ってるくらいっぽいからあんま注視しないと気付かない感じだしそれ以外のインパクトがデカくてそこら辺は自ずと薄れるのでこれは割と上手な使い方かなと。まさかCGまで流用になるとは思わなんだが

 

ベロバの暴走により乱れに乱れる情勢の中、DGPを取り巻く最大の真実が明らかとなった今回のエピソード。いよいよ折り返しというこの局面で話をガッと動かしてきた、という感じでどデカいインパクトのある話となりましたね。もうなんだかんだで中盤なんだな...

 

そんな今回のエピソードでしたが、個人的には戦闘シーンの演出周りがなかなかに濃密で見応えがあったのが良きところであったなぁと。正直最近の戦闘はアイテム・ギミック周りの活用がちょっと弱めになってきてた(ギーツとロポのブースト並び立ちとか印象的なのもあったけどね)感じがあって少し刺激に飢えてた感じであったので、リボルブオンを戦闘に直接組み込んでピンチを脱したりブーストの推進力で体勢立て直す機転働かせたりしたタイクーンとか、フィーバーバックル使って2丁ビートアックスでの2連属性攻撃したナーゴとか、久々にその辺をかなりガンガンに活用した戦闘がガッツリと見られたのかなり嬉しかったんですよね。第15話みたくリボルブオンがアクションの一環って感じで活かされてたり、なんだかんだでフィーバーバックルがまだ現役として活躍してたりと、アイテムやギミックの物持ちが良いというか、在る物としてしっかり活かそうとしてくれているみたいなのはやっぱりこの手の作品としてはありがたいし見栄えも良いのよな(「『上下の入れ替え』というリボルブオンギミックの肝心なところがあまり上手く活きてない」「フィーバーバックルの使い方は展開上都合の良いバックルを当てがうためのものみたいな感も否めない(発動アイテムのランダム性みたいな面が弱い)」みたいな声もあるので完璧に回せてるとも言えない部分はあるかもだけど、要所要所で盛り上げや惹きつけのために積極的に使ってくれてるところは面白いしありがたい)

 

そしてとりわけ目を惹いたのがやはりギーツとジーンの共闘シーン。メインウェポンが銃のライダーコンビという意外と貴重な取り合わせ(バルカンバルキリーみたいに前例はいるけど一方が主役なのも含めここまでガッツリなのはだいぶ珍しいよなと)もなかなか面白かったけど、生のアクションや特殊効果による外連味をバランス良く織り交ぜて魅せる終始縦横無尽なスピード感のあるツーマンセルのガンアクションが凄くカッコよくて痺れましたね。ライダーにおけるガンアクションはけっこう魅せ方の工夫が問われるものという感じなんだけど、今回は今までマグナムフォームの演出で培ってきた蓄積を活かしつつ、ギーツのサポートというポジションのジーンをプラスし更に洗練させていて素晴らしかったね

しかしジーン、先に述べた活躍っぷりも含め、前回ラストの福さん変身のインパクトに終わらせない良い存在感が出まくってて実に良きでありましたね。福さんが直々に考案したという英寿/ギーツの変身との相性を熟慮した変身ポーズ白と黒を基調にしつつギーツの赤と対な感じの青を差し色にしたデザインなど、英寿/ギーツとの並び立ちを意識した要素の数々がバチっとハマってこの数話で一気に特殊な形での良いコンビ感が深められたのが凄く強いよなぁジーン。それでいてバッファが現れたら「ギーツとの因縁の対決」的な感じで一歩引いて傍観に徹したりと、ギーツの活躍やポジションがオイシイ感じになる時にはそれを楽しむ「観客」に徹するという絶妙な距離感のキャラクター性も面白くて良い(ギーツのファンというポジションや「僕が求めるのは感動」という言をどこまでも地で行く男という感じで信念がグッと深められた感じが好き)。ライダーとしてかなり強いんだけどあまり前に出過ぎないのもバランス感としては絶妙だなと 基本的にプレイヤーとは一線を画する力を持っている(グレアの時みたく数や戦況を整えれば勝ち筋は一応ある)けどキャラクターのポジション上介入はここぞという時になる、という感じでGMや運営やオーディエンスといったDGPの根幹に関わってる者達が変身するライダー達はしっかり格を出しつつも一歩引くようにしてあるのはキャラの回し方として上手いね

 

という感じで戦闘周りがかなり面白かった今回でしたが、先述した通り本題としてはDGPに関わる重大な真実─運営やオーディエンスといったDGPの関わる者達は遥か先の時代から来た未来人、DGPは彼らが過去の世界を舞台にして楽しむリアリティショーである、というところが明らかとなる展開が強く視聴者を引き込む内容となっておりました。「こことは異なる時代の者達」という仄めかし自体は今までにもあったけど遂にグッと核心を抉ってきましたね...

正直言うとこの辺の真相開示、最初に聞いた段階だとイマイチピンとはきていなかったのですが、劇中に登場した「君達がギリシャ時代や戦国時代をエンターテイメントとして楽しむような『3.5次元』のリアリティショー」という言及やそれを踏まえた他の視聴者さん達のツイート等を整理しざっくりと咀嚼した感じだと、要するに未来人達がDGPとしてやっているのは、漫画やアニメといったフィクションを現実のスケールに切り出し表現する2.5次元ミュージカルにちなんだ、現実離れした命懸けの生き残りバトルを過去の現実世界に落とし込んだリアリティあるショーへの昇華であり、「歴史の裏では実はこのようなことが起きていた!!」「◯◯(過去の人物名や事件)のもう一つの可能性!」的な史実を独自に解釈・アレンジした歴史フィクションのような感覚で過去の世界やそこに生きる人間達を丸々題材・要素として使う形でエンタメを作り上げている、的なところなのかなと。史実を軸に人間ドラマを繰り広げ描く大河ドラマシリーズ、歴史上の刀剣の付喪神が人の形をとって歴史上の色んな時代で戦うという筋書きの「刀剣乱舞」、新撰組斎藤一が実は坂本龍馬でありそこから史実における様々な出来事に関わっていったとするテーマの「龍が如く維新!」、その他etc...といった作品達が歴史上の人物や物、出来事をどれだけ大胆に解釈し扱ったとてそれはあくまでフィクションなので現実の歴史には関わりのない一エンタメ作品であると我々が捉えてるように、ギーツ世界の未来人達にとって過去の世界はあくまでエンタメに使えるファクターであり(過去の世界で何があろうとそれは分岐し新しい可能性世界が生まれるだけで彼らの世界には関わりないのだろう、という他視聴者様の解釈も込み)、彼らはそれを思うままにこねくり回してエンターテイメントにしているのだろう、という感じで、未来人の出自や思考概念が文字通り我々とは次元(住む世界や時間、観念)の違うものだというところをグッと強調する形で、世界の命運を賭けながらそれをゲームにしている悪趣味ささえ感じるDGPの在り方の説得力を一気に深めたなかなか秀逸な設定だなと感じましたね。邪悪な「テルマエ・ロマエ」と捉えると分かりやすいのかもしれない(現代の技術が古代ローマに持ち込まれて古代ローマ人達が湧き立つ様子を「あくまで創作」な歴史フィクションコメディとして我々が楽しんでるみたく、未来人達はジャマトや仮面ライダーといった要素を基に過去の人間達が繰り広げる願望を求む壮絶な戦いを「自分達の歴史には関わらない人間達の戦い」として鑑賞し躍り沸き立ってる、的な)  ジーンやニラムをはじめとした者達に関しても、彼らは皆考え方に微妙な差異こそあれど過去の世界やそこに生きる人間達を身も蓋も無い話「駒」「キャラクター」くらいにしか思っていないのだろうし、そしてそれは悪意故ではなく我々とはまるでスケールが違うものの捉え方をしているから(だからこそこのDGPに感動やリアリティをひたすら純粋に追求し楽しめている)なのだろう、という感じで、彼らの超然とした内面やその手のひらの上で踊らされている現状が浮き彫りとなってちょっとゾクっとしましたね...それを踏まえると過去の世界そのものやその世界の人間達のことをゲームという枠を越えるような感じで割とちゃんと考えていたギロリは過去の人間寄りな凄く真面目で人間味ある性質であり、未来人基準だと「ショーに対して熱の入りすぎるちょっと変なヤツ」みたいな感じだったんだろうなと(チラミのギロリ評もだいたいそんな感じだったし)。DGPの真実を隠そうとしてたのもその内容が知れた今となっては、過去の人間であるプレイヤー達の混乱を慮ってのことだったのかもな...と思えますね(今になってギロリくんの株がザバザバ上がっていく...)

 

ともあれそんなDGPもベロバの策略と暴走で破局へ...というとんでもない流れの中今回は締め。ベロバの爆撃で無音になってみんなが爆発に呑まれてく演出、かなりゾッときたよなぁ...一瞬で今までのものが全て突き崩されて次どうなるか読めない一番気になる引き

次回なんか妙なことが始まり出そうとしてるし、どうなるのか不穏な感じである。みんなどうなってしまったのかとても気になる。ちなみに個人的に何気一番心配なのはアルキメデルです(聞かれとらん)。アルキメデル、けっこう悪っぽいなりにジャマトのことちゃんと可愛がってる姿はちょっと微笑ましくなってきてたし、今回なんかなんだかんだでジャマトに対して熱い親心を抱いてるのが感じられたのが良かったので、ベロバの切り捨てで全部失ったかもしんないの正直ちょっと可哀想ではあるのよな...(せっかくジャマトサイド台頭の兆し見えてたのに...) ここからベロバを中心に全てに復讐せんとする新たな勢力と化する可能性もあるしけっこう目が離せないとこである

 

 

以上、ギーツ第23話でした。折り返し間近のこの局面でのDGPの核心への抉り込み、掘り下げるとなかなか壮大な背景も色々見えてきたし一気に物語が盛り上がってきたなという感じでしたね。最近の要素過多になりかけてる雰囲気にちょっと心配になってたけどなんだかんだ良い感じにまとめ上げてきたのでそこも良きであったなと。キャラクター周りの勢力図も複雑なようで割と見やすいので気持ち良いのよね

しかし謎が色々明らかになった一方で、ここからの戦いがどういう形に転じていくか良い意味で読めなくもなったしこれもけっこう楽しみなところ。ジーンやニラム同様「この時代の人間ではない」という言及が為された英寿は一体なんなのか、という大きな謎もまだ残ってるし、次回が一体どういう内容になるのかも含めて座して待ちたいといった感じですね。山場の中盤を過ぎるここからが正念場だし頑張っておくれよギーツ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた