AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

感動屋の動揺

仮面ライダーギーツ

第27話「慟哭Ⅲ:たのしい戦国ゲーム♡」

感想レビュー

 

 

「キューンの面倒祢音オタク感キモくない?」

ワイ「でもまぁ祢音への真摯さは窺えるし」

「ポエミーな手紙したためたり祢音の近くうろちょろしてんのもなんかな」

ワイ「まぁまぁまぁ...」

「手紙の内容がリアルタイムで変わってる!!」

ワイ「アウト!!!!!!!!!」

「盗聴してたわ」

ワイ「死刑!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

すこぶるイケメンなおかげで辛うじて好感度が繋ぎ止められてるだけで隠しきれなくなってきた変態性を理由にいつ殴られてもおかしくないキューン、すごいバランスのキャラ性だ(

 

ブーストマークⅡを手にした英寿に起きる異変、そんな中で風雲急を告げていくジャマトグランプリ、な展開の今回のエピソード。久々の坂本監督登板回ということで戦闘面がかなり豪勢で、ジャマトバックルを使ってるバッファも含め蔦などの植物属性攻撃をふんだんに取り入れたジャマトサイドのアクション派手なエフェクトや合成は割と少ないながらもシンプルな肉弾戦の中で「速く、一撃一撃が重い」という強さを存分に演出したブーストマークⅡの戦闘バックル装填によるジャマトライダーの強化というGMライダーらしい強みを発揮したグレアⅡの魅せ、などキャラの強みやアイテムギミックを十二分に取り入れた演出が多くて面白かったですね  ジーンもとい福さんのえげつないナパームを背負いながらのアクションや吹っ飛びも凄く良かったです やっぱり坂本監督は現行もライダーに定期的に入ってくれた方が戦闘に見栄えが出て引き締まるので良いなぁと  まぁメインキャラ陣にコスプレさせて生身アクションさせたのは完全に趣味だろうなって感じですけども() さっきまで突然の衣装変化に困惑してた景和と祢音が数秒後には即順応してるの割り切りすぎですって(

 

しかしブーストマークⅡ、ブースト5積みとかいうチートが正当強化として普段使いできたらだいぶオーバースペックだよなぁと思ってたが、使うと英寿が突発的な睡魔を抑えきれなくなって眠る/倒れる、とかいうけっこうヤバいデメリットありであーなるほどとなりましたね。暴走や人外化に比べればまぁ、といった感じではあるけど、ジャマトが強くなってタイクーンもナーゴも満足に対抗し切れてるとは言えない、ギーツもバッファのプッシュも加わるなどしたら押し切られることがあるというこっち側がだいぶ不利な状況において、主力の英寿が戦えない状況が明確に、それでいていつ来るか分からない形で訪れるというのはかなりマズいんですよね...寄生獣でミギーが突発的に寝てしまって新一1人でどうにかしないといけない時みたいなスリリングさがある(フォロワー氏の「2話に1回くらいドンモモタロウがぼろたろうになる」もなんか納得した) 例年で言うところの暴走フォームのデメリット描写にあたるとこだと思うけど、英寿/ギーツがほぼ一強みたいなパワーバランスを上手いこと物語に落とし込んできたからこその危機感アリって感じで良いなと てかヘンな恒例イベントと化してて正直ちょっとうんざり気味になってしまってたこの時期の暴走フォーム(デメリット付きの強化)投入に良い具合に変化付けてくれたのは嬉しい 販促都合的にも暴走が一番やりやすいんだろうけど毎年やってたら味も無くなるでな

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この静かな異変とピンチ真っ只中の英寿の背景の真実に、ジーンが切り込むという展開が繰り出されたのが今回の大きな見所。前回の時点で察せられてたところではあったけど、転生を繰り返しその記憶を保ちながら母・ミツメを探すために何度もDGPに参戦し続けている、という真実はこうしてドドンと直接明かされるとインパクトありましたね...過去の時代の“エース”に当たる人間が全然英寿のイメージと違うの、当たり前のことではあるんだけど正直不思議な感覚だなぁ  特に母・ミツメを探していたエースのオリジン(に一番近い)であろうエースがマジで英寿の雰囲気を欠片も感じない人間だったの「誰!!!???」ってなってちょっと面白かったまであるからね() ともあれ英寿を取り巻く謎は大部分が明らかとなったけど、結局こんだけ運命が巡ってなお会えないミツメはどこにいるのか?などの謎もまだあるわけで、ここの真実はまだもう少し先...というところか

 

そんな英寿の真実、そこから生み出されるスペクタクルにジーンは今までにも増して心から感動するも、英寿からは「俺の人生はお前の娯楽じゃない」と突っぱねられてしまう...と、前回に引き続き英寿とジーンの意識の乖離が強調される展開も描かれました。ジーンが英寿の背景に覚えた感動を伝える部分の福さんの演技がだいぶ露骨にヤらしい言い回しや表情になってて見てる側としても英寿本人としてもちょっとムッとなるような感じになってたことからも窺えたけど、やっぱり一見純粋で善玉に見えるジーンも本質は「他の時代の人間・その人生をエンタメとして観測し楽しんでる存在」なのだと前回同様しっかり印象付けようとはしてるよなと。ジーン自身が心から感動してることには違いないんだけど、転生を続けてまで成そうとしていることがあるという英寿の境遇・人生、そこに根付く想いそのものは英寿という生きた1人の人間の根幹であり現実であるからこそ、他者に傍観され楽しまれることが英寿自身にとって面白くはないのはおかしくはない、むしろそれを同情し寄り添うでもなく娯楽感覚で「感動した」なんて言われたら怒るのは当然なので、ここの乖離の描き方はそれぞれのキャラ性および関係性の積み上げが昇華されたものとして上手かったなと思います

 

しかしこのジーンの「『ひたすらに感動を追い求める純粋な少年』でありつつ『平然と他者の生き死にすらも娯楽として組み込んでしまえる超常存在じみた価値観を持つ存在』」という良くも悪くも感動屋な一面はここに至るまで凄く良いバランスで取り回されてて面白いよなぁと。英寿がベロバ達の手にかかりそうになり、ボロボロになって地に這いつくばった自身はそれを見ていることしかできない、という今回のラストのシーンも、「推しの死」という事象に対する心からの絶望あくまで英寿をエンタメの対象としか見ていないズレという一キャラクターとしての純粋性・感情の機微と価値観の断然が上手い具合に両立してて、嫌味やストレスになりすぎない塩梅でジーンというキャラクターが上手く表現されていて凄く好きなところであった あの場面で咄嗟に飛び出る言葉が「嫌だ...!!」である絶妙さも深掘りすると面白いよね

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とはいえ英寿のことを「生き様もしくは死に様で魅せて欲しい」と言っていたジーンが、あの場面で英寿の死を拒否し叫んだのは、彼をどういう風に捉えていたにしろ明確に「浮世英寿という一人間を喪いたくない」と思っていたことには他ならないとも思うので、ここで抱いた感情が後々ジーンの人格面に何かもたらす可能性はあるかもな、と期待も高まるところ。次回予告の雰囲気からしてもジーンに何か変化がありそれが英寿との関係性を変化させることにもなりそうなので、ここは注目したいですね  自身の心からの「感動」をひたすらに追い求めているからこそ、自身の「感情」に基づき価値観が変わってくとかだと良いなぁ

 

 

以上、ギーツ第27話でした。英寿とジーンを取り巻く関係性を軸に次回も含める形でストーリーをグッと深めつつ、戦闘面も楽しく盛り上げた見所多しなエピソードでしたね。英寿の謎や未来人の価値観といった重要な要素がよりストーリー上で占める部分を強めてきていて、これがどう跳ねていくかは非常に楽しみなポイントだなと。ジャマトグランプリもそこまで長引くわけではなさそうだけどここからどう動くやら

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた