AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

真っ直ぐな実の愛情

仮面ライダーギーツ

第30話「慟哭VI:手紙の中の王子様」

感想レビュー

 

 

みんな!今日(4/9)はワイの誕生日や!!嬉しいぜ!!

じゃあ先週(4/1)誕生日だった祢音の地獄の話の続き観よっか(最悪の流れ

 

まぁそれはともかく今年で27歳になりました。無事先週の4/1付けで正社員にもなって波に乗ってるとこなのでいっそう身を引き締め頑張ろうと思います 当ブログもぼちぼち書いてくので今後ともどうぞよろしくお願いします!

 

 

てなわけで私事はこのくらいにして、今回は衝撃の出自を明かされ絶望の淵に立たされた祢音に更に追い討ちをかけるように迫る危機、そんな中で光るキューンの決断を描いたエピソードの感想をば それなりに太めの軸となっていた祢音とキューン周りのドラマでしたが、それを見事に気持ち良く昇華したエピソードとなりましたね

 

そんな今回のエピでまず最初に目を惹いたのは祢音の出自に対する光聖パパと伊瑠美ママのリアクション/祢音に対する感情の対比でありました。祢音の背景が明かされるよりずっと前のいつぞやの記事でも触れたけど、やっぱりこの2人の祢音を軸とした本質部分っていうのは、祢音の意志を尊重しちゃんと見ているようでいてその根底には色んな思惑(感情)が渦巻いている光聖パパやり方こそ乱暴だけど娘を真に愛し想うが故の失うことへの恐れがその根幹となっている伊瑠美ママ、という対比で一貫されているんだなぁと。光聖パパ、前回時点だと「手段こそ正気ではないけれどあかりと祢音の両方の娘に対する想いで葛藤している」という感じで娘への愛情自体はモノホンと思ってたんだけど、実際のとこは「本物の娘」であるあかりの死を受け入れることも忘れることもできないので、「代わり」である祢音を用意することで自身を保とうとしていた(且つ祢音に存在意義を与え祢音の存在や自身の考えを正当化させようとしていた)、という感じでヤな方向に人間臭すぎる、壊れてしまった状態に陥っていたのが浮き彫りになったのがなんとも...って感じでしたね  伊瑠美ママの方は真実を知ったら知ったで最初は反射的に祢音を拒絶してしまった(IDコアを触れて本当の記憶が一気に戻ってきたからこその目の前の祢音に対する「あなた誰!?」が生々しすぎる)けど、祢音が自ら身を退こうとしたら母としてそれを引き止めようとする理性や心、奥底の愛情を感じさせる振る舞いができていた分余計に辛い あかりを喪った後の憔悴の仕方といい伊瑠美ママの方が深刻っぽかったけど、実際は光聖パパの方が今までずっと壊れっぱなしって感じで深刻だったんだなぁ(伊瑠美ママは時間置いた分まだちゃんと受け止められてるよな)

 

またそんな状況の中で追い詰められてしまった祢音の境遇に対する反応、およびそれを受けての英寿との対峙から、今の道長が抱く想いや指針がより色濃く窺えたのも今回面白かったところでありました。とどのつまり道長が憎んでいるのは最早ライダーという存在そのものに留まらず、人間の願望・欲望がせめぎ合い、個人の幸福が他者の不幸をもたらす戦いであるDGPというのが明言されたのはかなり大きな進展だったよなって感じですね。ただある意味では本質をしっかり見定めているとも言えるけど、ある意味では誰かの幸福に対する逆張りに至ってしまってるとも言えるわけなので、道長がどういう方向へ行くのかは現段階ではなんとも、という感じなんですよねぇ  DGPの本質を否定し個人の幸が他者を侵すシステムを壊そうとする道長は間違っているわけではないんだけど、本作のスタンス自体は決して個人の願望・エゴを否定してるわけではないので、その上だと道長はそこと対になるわけで...(そもそも道長の考えやその上でやってることも突き詰めてしまうと身も蓋もない話道長自身のエゴなわけで) どうなるんだろうなぁ  てか「幸」と「辛」の関係(辛さと幸せの背中合わせの関係や、辛さを被る者と幸せになる者のバランス)という話をやった「シン・仮面ライダー」公開中にこういう話やるの、ちょっとタイムリーね(辛さを被る者と幸せになる者のバランスという部分はある意味対照的だったが)

 

と、祢音周りがあまりにもハードに進行した今回でありましたが、そこにおいて英寿の後押しも相まって覚醒したキューンが祢音に真っ直ぐに向き合い力強く支える展開が繰り出されたのは非常に熱かったところでありましたね。面と向かってだと彼女を責め立ててしまうから、とまた手紙を通して想いを伝えようとする自身を「所詮は傍観者」と敢えて強く詰った英寿の後押し・叱咤を受けて立ち上がり窮地の祢音の下へ直接駆けつける流れから、したためた手紙の読み上げで祢音に想いを伝えようとするところを経つつ、「これは違う」とばかりに手紙を破り捨てて真に祢音を見つめ、向き合い、「自身の幸せを決めるのは境遇ではなく自分自身」という奥底から溢れる本心の言葉を紡ぎ、並び立ち彼女の戦いを支える者となる、という段階的な覚醒のテンポが凄く気持ち良く、とてもカッコよくて痺れたわよ...画面越しに見守り手紙越しにしか想いを伝えられなかった斜に構えた奥手の傍観者が、画面も手紙も全部自ら振り払って祢音に直接向き合い何の隔たりも経ないまっさらな自身の言葉をぶつける漢と化すの、良い文脈の乗り方で最高だったね  「思い通りにデザインされた存在」であるという立場の類似があるからこその寄り添い、その立場の上で自身は祢音に心動かされるものがあったからこそ自身も祢音を支え救うことができるという真っ直ぐさ、というキューンの設定や祢音との関係性を余すことなく活かした構図作りもバチっとハマってて凄く気持ち良かった  カッコつけのキモムーブしてる男扱いから一気にここまで熱く真っ直ぐな精神性に跳ねるの、鮮やか...

そして再び立ち上がった祢音と並び立ち支える存在となったキューンの共闘もハチャメチャに燃えて素晴らしかったですね。真に「支える者」となったキューンが祢音に贈るアイテム、という文脈を乗せたブーストバックルを使ってのビートブーストフォームがいつものブースト形態とは違った熱さがあって凄くカッコよかったんですよねぇ(サポーターが推しに贈る特別な支援アイテム、的なブーストバックルの趣が今までの話の中でしっかり強調されてたからこそここでこの一捻りがよりアガるのよな)  キューン(仮面ライダー)と一緒になってのCG演出や外連を効かせたアングル・カット割りで魅せるナーゴの大一番も凄く盛り上がったね キューンを駆って突き進み古代魚ジャマトを抉り砕いたフィニッシュが凄く好きだ  キューン(というかジーン以外の未来人ライダー)がCG表現のデカメカデザインしてるの、最初はかなり戸惑ったしあまり出番設けられないんじゃないかというのが不安だったりもしたけど、こうして見るとナーゴとの並び立ちがギーツとジーンのそれとは違った画になってて面白かったし、サポートデカメカだからこそのあまり何度もはできない外連味を効かせた派手な戦闘演出を推しライダーとの共闘というドラマ的にも「ここぞ!」な山場にバンと当てがえるというストーリー構成とも噛み合った出番になってたのが鮮やかだったしと、あのデザインなのをちゃんと意味あるものとして活かしてたのが膝を打ったところだったよなと(多人数ライダー制とかフルCGのサポートデカメカとか、何かと漫然と使われがちになりやすい要素をめちゃくちゃ巧みに掛け合わせてドラマに昇華してるの、やっぱギーツはこういうとこが上手すぎる)

 

かくして祢音周りは一先ず気持ち良く解決を見たものの、その一方でジャマトサイドではヴィジョンドライバーに記録された過去のGMの記憶から、創世の女神とは英寿の大元の母・ミツメが変じた存在であったことが明らかになり...という衝撃的な事実が判明し今回は締めとなりました。ミツメと創世の女神の関係性みたいなところはこれまでにもちらほら考察されてたけど、こういう形できたか...という感じでしたね。英寿は母に会うという願いは無効になることを疑問に思ってたけど、そもそもその願いを叶えようとしてた存在そのものが母だったという灯台下暗し  しかしそうなると英寿の輪廻転生の謎なんかも、かなり大きな意味を持ってくるよなぁ...と。英寿が母に会うために転生を繰り返している、という当初の考察の逆転よな...(ミツメの方が英寿に会うために彼を何度も転生させてたみたいなそういう)  エース」の願いの成就に何度も立ち会ってきたこととか、ブーストマークⅡ誕生の際に意味深に女神が映されてたこととか、色んな描写の深みが増す

ともあれ本作を取り巻く最大の謎だったここにグッと迫ったのは大きな進展なので、この先の展開が楽しみですね もう30話台だしかなりグイグイいきそうよな...

...ちなみにアルキメデルさんはアレ大丈夫なんか!?次回隻腕/義手で出たりする可能性...

 

 

以上、ギーツ第30話でした。前回の波乱から引き続きという形でキューンも交えながら描かれた祢音メイン回でしたが、2人の関係性をしっかりと昇華し熱いドラマ性で魅せてくれた素晴らしいエピソードでしたね。祢音周りで期待してた以上のものが見られて大変満足でした。一応祢音の両親との向き合い方という課題は残ってるしまだ引っ張るものはありそうだが、これは大いに期待できるね

一方で本筋周りでも、道長の指針やミツメ/女神の謎の解明など更なる進展もあり、こちらもこの先がどうなるか非常に楽しみ。ギーツめちゃくちゃ面白く回してるししっかり見守っていきたいすね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた