AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

精鋭集結

ウルトラマンブレーザー

第2話「SKaRDを作った男」

感想レビュー

 

 

「俺が出る。(電話ガチャ」

やめてくださいゲント隊長!そんなネットの面白半分の悪いオタクが雑に考えたみたいなノリに味を占めて便乗した公式がやるみたいな決め台詞の応用を第2話からやるのは!!()

これ多分まだバリエーション増えるな(

 

第1話の公式配信が1週間のうちに500万再生を突破し早速滑り出し上々な新番組ウルトラマンブレーザー、待ちに待った第2話が放送されました。1週間カスみたいな労働に耐えながら楽しみにしてきましたが、今回もめちゃくちゃ面白かったですね 凄い番組始まっちゃったなぁと改めて実感するね...

 

ちなみに今回からOPがお披露目と相成ったわけですが、見ましたか皆さん!!あの後半の怒涛の怪獣ラッシュを!!!(ガンギマリ)  バザンガ、 ゲードス、タガヌラーなどの前半戦を固める面々が一挙に後半の映像に登場し、彼らの猛威がSNSの投稿、新聞の記事、ニュースの中継映像、監視カメラ映像、古文書の絵、航空レーダーなどの様々なアプローチの演出により20秒弱の中で矢継ぎ早に繰り出されるあの密度感、絶頂せざるを得なかった...情報社会の現代だからこその様々な媒体を通した怪獣の脅威の伝播がブリバリに表現されていて最高だったぜ 個人的には不気味に佇み監視カメラを睨む様がノイズがかったモノクロの映像で静かにおどろおどろしく描かれたカナン星人や、古文書の言い伝えのいかにもな古めかしい絵から現代に蘇ったモノホンへとカットがシフトする演出がイカしてる遺跡怪獣くんが特にお気に入り

サビ入りと共にブレーザーやSKaRDではなく怪獣達にばんばかフォーカスしてるの、怪獣オタクの私からしても尖りまくってんな!とならざるを得ない思い切りの良さだが、それ故に本作が怪獣に賭けているエネルギーの莫大さを感じられて、この作品は身を捧げるに値すると今一度確信しましたね 素晴らしかった

 

というわけで本編。今回はレギュラーとなるSKaRDの面々がようやく勢揃い、という感じでゲント隊長やエミをはじめとした主要登場人物のキャラ魅せに重きが置かれたストーリーとなっていました。第1話の時点でもゲント隊長の頼もしさおよび彼を取り巻く仲間達との信頼といった部分をあのスピード感溢れる展開の中でも分かりやすく劇的に描く手並みが目を惹いたところでありましたが、今回も各キャラを個性豊かに、魅力的に描いており非常に楽しかったですね。普段の朗らかで距離感近めな砕けた雰囲気と作戦時のキリッとした雰囲気の公私の切り替えが目を惹くエミ武道に通じた勇ましさがありつつマイペースで抜けたところを随所で見せる愛嬌のあるアンリ軍人らしい厳格さなカッコ良さを見せつつも、意外とデカいリアクションなど良い人間味も感じさせるテルアキ副隊長表にガンガン出ずとも装備・戦力の編成や仲間のスムーズな戦闘の補助など縁の下を支える活躍がイカすヤスノブ、と彼らのキャラを1人の人間として、防衛チームの一員としての両面からしっかり印象深く描いたテンポと構成の巧みな作劇が実に面白かったなと。この1話でもう既にみんなかなり好きになったわね 個人的には前回のカッコいいカットからの今回の凄い可愛い笑顔でグイグイ来るギャップにしてやられたエミが今一番好きなキャラ ちらほら関西訛りを織り混ぜた喋りが思わぬ愛嬌だったヤスノブが思いがけず刺さったりもしたし今後の他キャラの描写も楽しみよ

 

また彼らに負けず劣らず、ゲント隊長が更に深みあるキャラ性を見せつけてくれたのも凄く良かったところ。自身の客観視も含め状況や人をよく見て判断する冷静さと理知性、仲間想いで使命感の厚くここぞでは危険も顧みず突っ込んでいく熱さ、という隊長としての頼もしさと1人の人間としての深みが凄くバランス良く並列したキャラ描写が見ててとても気持ち良いんですよねぇゲント隊長 こっちも一人間・防衛チームの一員の両面からのアプローチでしっかりキャラが深掘りされてて実に見やすく人となりが分かりやすかった 「どれで怒られるんだろう...」「それなり以下です」といった細かな台詞回しにも、熱さと冷静さが同居した性格とか自分が背負ってる責任に対する意識の高さとかが窺えるし、解像度の高め方が凄く上手いのよな

ゲント隊長、総じて言うと懐の深さや頼り甲斐、愛嬌と抜けが良い塩梅で並列したあの堅すぎず緩すぎないあのバランス感がとっても魅力的だよなぁと。常に緊張を緩めることなく部下をまとめ上げながら的確な指示で現場を回す手腕が凄くカッコよく、それでいて言い方は柔らかで分かりやすいのでやりやすいし頑張ろうと思える、と前回も今回もこの辺はかなり一貫して描かれてるけどこんな良くできた大人が現実でも上司にいたら凄く安心ですわよ(前回のスカイハンターとユリシーズに対してといい今回の漁師のおじいちゃんに対してといい、有事でも熱くなって強すぎる言い方にならないようにしてるのが良いよね 大人の余裕と懐の深さを感じる)  尚且つ「下の名前予備じゃないと返事しないよ(マジで下の名前で呼ばれないと返事しない)」っていうちょっとめんどくさいところをはじめとして程良い“抜け“が人間味にもなっていて親しみも持てるのも好感。無茶振り続きな参謀長に見てないところでけっこう毒突いたりとかの完璧超人すぎない等身大さとかも好きなんですよね...オーソドックスな主人公らしさと現代ならではな出来る大人/上司の条件が絶妙に合わさった良いキャラですよほんま

 

そんなゲント隊長を筆頭としたSKaRDの面々のやり取り・活躍を主軸としたストーリーの面白さも今回のエピソードの見所。思ってた通り前回のリアルなSFハードテイストから少し変わって今回は近年のウルトラシリーズらしい明るく楽しいエンタメテイストが主になっており、上記の個性豊かな登場人物達の賑やかなやり取りや関係性の構築がストーリーを楽しく盛り上げていたのがとても面白かったですね。思いの外早い段階からどつき合うような砕けた関係性に落ち着いたゲント隊長とエミの空気感とかけっこう好き  等身大の人間同士の日常や掛け合いの一幕を切り取ったようなリアルな空気感の演出というところが良い感じに意識された雰囲気も前回のリアル志向な作劇とのグラデーション的な感じで良かったし、ブレーザーはSF面だけでなく日常やキャラ描写面もこういうちょっと生々しさとかあーなんか分かるって感じの身近さ/親近感みたいなところが魅力の作風になっていきそうですね。こういうの個人的に凄く好きなので楽しみだ  テルアキ副隊長が署名する時書く場所確保しようとしたりペンが無くて借りたり(次のアンリの時にはゲント隊長がもうペン用意してるのがキャラ性の掘り下げにもなってて芸細)日付忘れて聞いたりみたいな良い意味でぐだっとした空気感とか、アンリが署名しようとして書く台が無くて隊長の背中借りて書くけどペンが書類突き破って隊長が痛ッ!ってなる一幕とか、キャラ同士のふとしたやり取りのディテールとか期待したいなと しかしエミといいアンリといい女性陣のキャラはゲント隊長を良い感じに振り回しそうだなと楽しみになるな(

 

そしてある意味本作の目玉パートといっても過言ではない巨大特撮パート。予算ブリバリで大暴れしたバザンガの大活躍が記憶に新しい前回に続く形で新たな怪獣 ゲードスの大暴れが描かれましたが、前回とはまた違ったアプローチで負けず劣らずな凄まじい特撮をお見せしてくれて実に良きでありましたね。放送前の時点から ゲードスの回で見られないかと楽しみにしてた海底描写がガッツリと入ってきてもう私は天にも昇る気持ちでしたが、それに留まらず水飛沫を巻き上げて海から現れ、防衛軍の攻撃もものともせず突き進むゲードスの威圧感たっぷりな進行・破壊シーンも出し惜しみ無しにフルパワーで描かれていて私はもう、こう...たまんなかったですね...新怪獣が2週立て続けで登場しブチバチに街をぶっ壊す画をこの令和の世に本当に見られているの、今でもまるで夢のようです ちなみにこの辺のシーン、後から言われて気付いたけどしれっと実際の港町の実写風景とミニチュアセットがめちゃくちゃ高い精度で合成されてて、改めて見返してそのクオリティの高さに静かにおどれぇてしまいましたね...近年この辺のクオリティは年々上がってるけどマジで上位に入るくらい自然だった(何気なく見ちゃうレベルの自然さはガチなのよ)

からのゲント隊長のストーン入れた後スイッチ押し忘れて若干気まずい時間と焦りが発生してしまった変身で登場したブレーザーとゲードスの対決。ブレーザーの機敏なアクションとゲードスの自らの特性を活かした多彩でパワフルなファイトの息つかぬ攻防、苦戦するブレーザーへの援護が光るSKaRDの初陣にしてキレキレな活躍など、オーソドックスなウルトラシリーズらしい戦闘シチュながら各キャラの味がしっかり活きていてこちらも実に面白かった。重量感と迫力を存分に押した前回に対しアクティブな魅せに振った今回って感じで趣の違いがあったのも良かったですね ゲードスの触覚を掴んで押さえてからの高速のエルボーラッシュとか高圧水流のスライディングマトリックス避けとか、野生的で荒々しいけど技巧派なブレーザーの戦闘良いよね

 

しかし第2話にして釣り竿とかいう超変則アレンジが見られると思わなかったな、スパイラルバレード...w エネルギー体の槍なので形状等の融通利くのはまぁ納得だが、あんな応用系をもう使ってくるとは思わなんだよ!!(そのうちバケツや傘出すとか言われてるの笑う)  てかブレーザーくん、上述の技巧派なアクションといいこの辺の道具の扱いといい、大方のファンの野生児的なキャラの捉え方とはやや対照的に実際はけっこう文化的な一面が濃いよなと 戦闘前に祈祷のモーションもそうだけどその辺は意外とちゃんとしてるイメージ ともあれ今後スパイラルバレードの応用がどれだけあるかは楽しみね とびきりおもしれーのたっぷり入れて欲しい(

 

かくしてブレーザーとSKaRDがゲードスに勝利を収めましたが、ゲードスの言い伝えを古くより知る漁師のお爺さんの「また海を汚せばきっとゲードスは現れる」という言葉が最後にぽろっと残され、人類への警鐘が鳴らされる形で事態は一応の締めを見ました。はたしてあれが最後のゲードスだったのか...みたいなのを抜きにしても、人類が驕って環境を犯し資源を減らし、特定の生命体のテリトリーの資源=食糧を減らすようなことがあれば、食糧を求めてやってきたその生命体と人類が要らぬ形で衝突することもあり得るわけで、お爺さんの言葉はそうしてやってき得る脅威を引っくるめて「ゲードス」とした上での警鐘だったのかもなぁと思ったり。現実の分かりやすい例で言うならば、普通であれば人里まで降りてきて人類とかち合うことも滅多にないのに、環境が変えられて食糧が無くなり人里によく熊が降りてくるようになってしまう...みたいな感じか  作中で明言こそなかったけど劇中の過去と現代にそれぞれ登場したゲードスもそうした理由から人類と勝ち合った存在なわけかもしれないわけで、第三のゲードス襲来を防ぐ術は、人類と他の生物同士が恵みを等しく分け合えるよう努力することなのかもしれない...という感じで、ささやかだったが色々考えさせられるところであった 本作のテーマ「対話・コミュニケーション」を踏まえるならば、この先次々現れる怪獣が求めているものは一体なんなのか、というところを描写や台詞から考えることもまた本作の楽しみ方の一つかもなと

 

 

以上、ブレーザー第2話でした。安定の特撮周りは勿論のこと、勢揃いしたレギュラーメンバーを多角的に掘り下げ魅力的に描いた作劇も実に面白いエピソードでしたね。キャラクター周りの気に入り具合は何気に最近でもトップクラスかもだし、これはこの先も楽しみなところですね 怪獣周りの気合いの入れようも改めて実感できたし、ますますボルテージ上がりますね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた