AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

あちあちウルトラマン

ウルトラマンブレーザー

第3話「その名はアースガロン」

感想レビュー

 

 

関智一さん演じる物理学者の大川さん、異様なまでの血気盛んさが関さんの熱演も相まって凄まじいエネルギーになってて笑うんだよな() 前回の銛で戦おうとしたおじいさんといい、こういう人達多くないか!?前回のおじいさんはタロウ世界の一般人的な特例かと思ってたんだけど、もしかしたらブレーザー世界の一部一般人はああいう気質なのかもしれない(嫌すぎる)

 

SKaRDの主戦力・アースガロンのデビュー戦を描いた今回のエピソード。ストーリー的には前回別行動みたいな感じだったヤスノブが合流してようやく全員集合したSKaRDの雰囲気を、メンバー同士の交流や訓練・シミュレーション・配置決めなどの普段の組織の動きなどを中心に描くことで掘り下げていく内容となっており、この序盤の早い段階でしっかりSKaRDのディテールが深まってとても面白かったですね。田口監督のSF・ミリタリテイストのストーリーらしい専門用語がばんばか飛び交うテンポ感の早さがありつつも、徐々に結束し「良いチーム」になっていこうとするSKaRDの面々の姿をコミカルさも交えながら丁寧に描いており、ブレーザーらしいリアルSFテイストとエンタメ性がしっかり両立されながら進んでるのは実に良きかなといった感じ。アースガロンの整備に携わっててそのままSKaRD隷下に入ったという隊員達が背景の後ろの方で動いてたりSKaRD隊員と一緒にゲント隊長の指示を聞いてたりするディテールの描写も好き(Zのストレイジの整備隊員達の描写もそうだったけど、こういう組織の描写の細かなところの広がりが窺えるとより説得力が出るし没入できますからね)  エミの陽コミュ力に困惑するアンリ、ヤスノブの強すぎる機械への造詣に付いていききれないエミ、みたいな微妙に距離感や相手のキャラを掴みきれなくてぎこちなくなってるところから始まり、最初遠慮してたけどゲント隊長に後押しされ作戦を立案するアンリ、それを採用し実行するゲント、という少し不慣れな協調、そして作戦を通じて見えてきたゲント隊長の頼り甲斐やヤスノブのここぞの機転に信頼を寄せていくアンリ、といった感じで着実に築かれていく信頼へと繋がっていく過程が実に気持ち良かったなと。最後にみんなでトレーニングへ向かう流れになり、テルアキ副隊長が「良いチームにしていきましょう」とゲント隊長へ呼びかけるようにまとめるオチまで含めてグッときましたね  「ウィルコォ」になかなか慣れなかったり他のメンバーにちょっと遠慮がちだったりと人一倍まだぎこちないながらも作戦の中でのみんなに対する信頼の構築が表情や言葉に表れ出てたアンリがそこにおいて何気に良いアクセントだったのも個人的に好きなポイント。この先みんなとより砕けていくのが楽しみね

 

またこれまでのエピソードに続いてゲント隊長のキャラや背景がよりいっそう深掘りされていったのも面白かったポイントでありました。タガヌラーのエネルギー融合の危険を知らずに攻撃を繰り出す防衛軍を止めるためにアースガロンで現地に飛び込み、同士討ちになると言う防衛軍に「じゃあ撃たなきゃ良いでしょう、こっちもタガヌラーを排除するために出撃している」と端的に言い切って有無を言わせず引っ込ませイニシアチブを取る剛腕にして敏腕な立ち回り、凄くキレキレで痺れたね...

そんなゲント隊長の更なる掘り下げとして、放送前から気になっていた「家族」について少し仄めかす描写があったのは今回のエピソードの一つの見所。台詞として直接の言及があったわけでも殊更にフォーカスする場面がどどんとあったわけでもないのだけど、任務を終えて着替えた後指輪を嵌めるゲント隊長そのロッカーの裏にそっと貼られた奥様とお子さんの写真、という2要素で色々想像を掻き立てさせ、今後の更なる言及を気にならせてくる感じだったのが上手かったですね...やー、なんか直接向こうからそうと言われるまではああだこうだと変な想像を書き込むのも良くないなとは思うのだけど、こういう描き方されたら“そう”だと思っちゃうよな...と。BGM無しの薄暗いロッカー室の中、裏に家族の写真が貼られたロッカーの前で大事そうに指輪を嵌めるゲント隊長っていうシチュエーションがもう“そう”としか思えないのよ 奥様やお子さんがまだ直接出てきてないだけかも、ではあるんだけどそれなら今回ちらっとでも直接出せば良いし(電話やメールといった間接的だけど“いる”と分かる描写でも良い)、なんならちゃんと出す機会まで写真の描写とかは出さないようにしても良いと思うし ともあれこの辺はちょっと今後気になりますね ゲント隊長、けっこう影のある人なのかもなぁ...

加えてこれまでにファン間でちらほら話題に挙がっていた「ゲント隊長とブレーザーの邂逅」について触れる描写も今回ちらとあり。恐らく第1話で触れられていた3年前の爆発事故でのゲント隊長の救出活動のものと思われる過去回想描写があったけど、ゲント隊長とブレーザーの出会いはかなり直接的なものだったんだなぁ、とちょっと驚きがありましたね。しかもウルトラマンの方から人間に接触しに行くのがほぼ通例みたいな中で、どっちかというと隊長が歩み寄っていったみたいな雰囲気だったのが尚のこと新鮮でしたね  ちなみにここの描写、自分が最初観た時あまりピンとこなかったのだけど、ファン間では「助けを求めたブレーザーの伸ばした手をゲント隊長が『救う』ために取ろうと近付いていった」という風に見ていた方が凄く多くて、改めて見返してみるとなるほどたしかにそう見えてくる、というかそうにしか見えてこないなと。個人的にも「3年前の爆発はブレーザーがなんらかの要因で地球に降着した際の事故的なもので、そこで負傷していたブレーザーは要救助者を助けようとするゲント隊長の姿とその意志を目にし、その慈愛と勇気に惹かれ一体化した(orそこで同じく負傷か何かしたゲント隊長を救い自身の傷を癒すために一体化した)」みたいなことなのだろうかと今まで予想していたのでまぁ概ねその通りという感じではありますが、他でもないブレーザー自身が救いを求めて伸ばした手をゲント隊長が取ろうとしていた・それがきっかけでブレーザーは彼の慈愛と勇気に惹かれた、ってことかもしれないというのはなかなか劇的で良いな...ってなりますね。言葉の通じない自分の伸ばした手をゲント隊長が「救いを求めてる」と取ってくれた、というのはきっかけかもってのは「コミュニケーション」という本作のテーマにもガチっとハマるしね  まぁそれこそまだちゃんと言及があったわけではないので早とちりすなというのは一先ず肝に銘じておくべしですが、ここもこの先の描写での解明が楽しみね...

 

と、ゲント隊長周りが色々盛り上がった本作でしたが、一番の目玉はなんといってもアースガロン。いやはや元より本作の顔の一つとして大々的に取り上げていただけあって、それに恥じない存在感のあるデビューをかましてくれましたね 専門用語がバチバチに飛び交う中での緻密なメカニック描写も満載の発進描写からしてもうテンション爆上がりだったし(実際のロケット発射台にも存在するという発射時の衝撃軽減のための放水の描写まである凝りようが流石)、原着後のタガヌラーとのCQCやアースファイアを駆使したオープンセットでの臨場感溢れるバトルのなんとアガったことか。勝利こそできなかったけど良い初陣であった  システムダウン時にしれっと目がぐるぐるになってる遊び心ある演出も可愛くて好き(あのぐるぐる目、実は玩具売り場に無料で置いてあったブレーザー玩具のミニブックレット収録の間違い探しにもう載ってたんだけど、まさか公式で出るとは夢にも思ってなかった()

にしてもセブンガーから始まった過去作ロボ怪獣のリブート・リメイクによる防衛隊メカ怪獣枠の積み上げが活きて遂に何にも依らない完全新規のメカ怪獣が燦然と降臨し新規怪獣とプロレスしてるのもう、な、涙が出ますよ...過去作要素から少しずつでも脱却できていけると良いなぁ...と思ってたところでブレーザー周りのこの色んな要素がこうなの、とても喜ばしいことですね 躍進を感じます

 

そして後半ではブレーザーvsタガヌラーが展開。バザンガやゲードスとはまた違った等身や造形のタガヌラーとの取っ組み合いはなかなかに新鮮で、やはり色んな怪獣がいた方がこういう楽しみがあって良いね...と改めて。フィニッシュの近接スパイラルバレードもすこぶるカッコよかったぜ オープンセットのナパーム爆破で絶頂しちまったよ

しかし今回のブレーザー、エネルギー融合でアッツアツになったタガヌラーのボディの触っていちいち「ア-ッチ!アッチ!アッチ!フ-ッ!!」って唸ってたのがめちゃくちゃ面白かったよなと。w ニュージェネウルトラマンでたまにある「その掛け声もう普通に喋ってない?」みたいなのの系譜()  今まで野生的な荒ぶるモーションが特徴的でどこか近寄りがたかったとこもあったブレーザーだったけど、熱くて反射的に飛び退いたり二度目に触るのちょっと躊躇ってぴょんぴょん跳ねたりする姿と合わせて凄く良い人間臭さがあり、程良く親しみが生まれたなと思いますね 結局あんま触りたくなくて投石(光弾)での攻撃に移るのも好き  こういう人間臭さを程良く入れ込むことによる神秘性とのギャップ感もウルトラマンの魅力だし、ここが押さえられてたのはグッドよ 今後もたまに痛がったりとかしてくれ(

 

にしてもタガヌラー、フィニッシュ前に溜まったエネルギーを解き放つような凄まじいエネルギーをぶっ放した描写があったけどあれは一体なんだったんだろうか。発射後の一瞬沈静化したような様子からしてやっぱりエネルギー融合で溜まった分を放ったって感じなんだろうけど、その場にいたブレーザー以外の他のキャラが特段リアクション取る描写があったでもなくその後触れられることもなくおしまいになったので今回の描写だけだとちょっと尻切れの消化不良っぽくて気になったかなと(一応単体でも、エネルギーが溜まりに溜まった末のあれがブレーザーに逸らされることなく地表に放たれてたら...みたいなゾッとするものを感じさせる演出だったようには取れるが)

そこで浮上してくるのが最近実しやかに囁かれてる「防衛隊上層部に潜り込み、一見防衛行動をしてるようでいてその実怪獣の暴走を意図的に推し進めるように軍を動かしてるネズミがいる」みたいな考察。第1話のバザンガへの特殊弾撃ち込みの指示がいつの間にか変わってたこと第2話でゲードスに攻撃を次々仕掛けて怒らせ陸上へ呼び寄せたこと、そして今回タガヌラーのエネルギー融合のことを知らなかったとはいえ攻撃を仕掛けあわや大惨事になりかけたことなど、防衛軍の今までの行動がやたら無能に見えるの続きなことから誰かが挙げた考察だったけど、今回のタガヌラーのあの行動もそこに組み込まれてたかもしれない(タガヌラーをほっといたり刺激したりすればああなると知った上で軍に攻撃させ、あれを誘発して街に甚大な被害を出させるつもりだった、的な)と見れば今回尻切れで終わったのも一応納得はいく(後々その黒幕が登場し今回の件の種明かしとなるみたいな構成前提、みたいな感じ)いっそう説得力は増すよな...と。これに関してもまだ考察の域は出てないので一応今はフラットに見ておくべきではありますが、今後もこのようなことが連続するならもしや...と思ってた方が良いかもですね メインの田口小柳コンビ回でこういうの続くなら堅いかなと そうではなくただただ防衛軍が無能だったらそれはそれでヒサンだからそうであって欲しいよ!!(

 

 

以上、ブレーザー第3話でした。SKaRDの雰囲気をこの序盤でググッと掘り下げ今後のストーリーを支える土台をしっかり作りつつ、アースガロンの活躍等も迫力満点に魅せた見所満載なエピでしたね。空気感やキャラクターの感じとかが凄く丁寧だし個人的にも好みなので良いなぁ...とても面白い。ゲント隊長周りの背景の謎等も少しずつ開示されて今後の展開がいっそう楽しみにもなったし、ますます目が離せませんねウルトラマンブレーザー。最序盤に当たるこの3話以降が更なる勝負だと思うので是非ともますます盛り上げていって欲しいわね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた