AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

乱れる王室

Princess Principal/プリンセス・プリンシパル

Crown Handler 第2章

感想レビュー

 

※本レビューはネタバレを多分に含んでおります。ご注意ください

 

 

SF作品ばりのイカれた大爆発で始まったのを見て「この作品ジャンル変わったんか???」と一瞬思った男です() 爆発しそうな感じなのは分かったけどあんなどえれぇ爆発すると思ってなくて心の中でエェ-ッ!?って声上げてた

それはともかくとして、巻き上がるキノコ雲、爆破の衝撃で渦を巻く海原、天高く柱のように舞い上がっていく噴煙、という一連の現象を細やかな作画で表現したこの大スケールの演出でアバンを飾ることでグッと引き込んでくるこの絵作りは掴みとしては実に上々でした。ケイバーライトを使った軍事開発や王国と共和国のいつ戦争に発展しないとも知れない危険な対立構図といった要素が作品を取り巻いていたプリンセス・プリンシパルの物語において、これらの要素をここにきてグンと押し出してきたのはなかなかに緊張感が生まれましたね TV本編でもCH第1章でもここまでガッツリと描いてはこなかった分、遂に物語が大きく動いてきたなと

 

前作のCH第1章は「スパイ」という部分にフォーカスした重厚なドラマが特徴でしたが、今回は「王室」という部分がドラマの中心となった物語が展開されるサスペンス的なテイストの濃い作品となっていました。

各王位継承権保有者の登場や王室を取り巻く不穏で危険な空気といった、TV本編では仄めかされるに留まっていた要素の数々をエッセンスとして散りばめ、王位継承というプリンセス・プリンシパルという作品の根幹の一つを成す部分に抉り込む展開でグッと没入させてくる作劇が見所の本作でしたが、何と言ってもその中で自分の想いを貫き逞しく優しく生きるプリンセスの強さを描き出すストーリーにはより引き込まれましたね。王位継承権保有者の命が狙われ自身もいつそうなるとも知れない状況の中でも、同じ王族の者達の身を案じ、自身の命に責任を乗せ国民を守ろうとする気高さを自ずと発揮するプリンセスの姿はまさに高貴なる者というところであり、やはり絶え間ない血の滲むような努力の中で彼女が手にしてきた高貴な者としての振る舞いや自覚というものは伊達なものでは断じてなく、アンジェの「本物のプリンセス」という言葉はまさしくその通りだよなぁ...と改めて。爆弾がいつブチ切れるともしれない船上で、先に脱出するよう勧める声を振り切って「他の人々が脱出するのを最後まで残って見届ける」と力強く言い切る姿、凄くカッコ良かった。(これを受けて船に乗ってた人々を中心にプリンセスを支持するようになる人が更に増え、最終章のこの先の展開に大きく影響していくのでは、とも思ったり)

思えば前述のアンジェの「本作のプリンセス」という言葉は、いつも嘘ついてばっかのアンジェが掛け値なしに贈った正真正銘の心からの評価なんだよなぁ、と記事書いてた今になってその言葉の深みにグッときていました

 

そしてそんなプリンセスの一連のシーンの中でも特に目を惹いたのは、やはり王位継承権第2位・メアリーとの交流だったなと。王族としての重圧に押し潰されそうになっていっぱいいっぱいなメアリーの不安を察して優しく寄り添うプリンセスと、そのプリンセスの優しさに心を許し姉のように慕っていくようになるメアリーの様子は、そこかしこに緊迫感やシリアスな空気が充満した本作の心安らぎオアシスでしたわね...

メアリー、初っ端から王族の責や王位継承という重荷を背負って不安そうな表情を湛えてたり、周りの大人達の顔色を伺って頭の中に用意した台本の定型分を読み上げるように体や声を震わせながら持ち上げたりと年端もいかない少女と思えないような振る舞いばかりするから見てられないくらい辛かったし、そこからプリンセスのことを気が置けない存在であると理解し、堰き止めてた感情が決壊したかのようにぼろぼろ涙流して茶会の席で大声上げて泣き叫ぶ姿はこっちまで何か救われたかのような、胸がいっぱいになるものがあったしで、ほんとにプリンセスと仲良くなれたことについて「良かったなぁ...」と感じるキャラで、決して多くない出番の中で一気の愛着が湧きましたね。プリンセスに軽口叩いて談笑したりと、彼女と王族という立場の壁など関係なく仲睦まじくなってく様は凄くほっこりする

そんなメアリーだけど、プリンセスが彼女に対しかつての血の滲むような努力に苦しみ続けてきた自分を重ねて気にかけ、話を聞いたアンジェも昔の王室のいた頃の自分と比べて「昔の自分にもプリンセスみたいに優しくしてくれる姉のような存在がいたらもっと違ったかも」とこぼす一幕がある、という感じで物語の主人公たる2人が「王室の重責や窮屈さに苦しむ子」というかつての自分達との境遇との共通性から思い入れを示している様子を見ると、彼女は今後アンジェ/プリンセスと類比する存在として王室周りの展開において大きな役割を果たしていくやもしれないなぁ、などと思ったり。王位継承権も第2位でなかなかに高い順位、というか本作最終盤のある展開を経ておそらくは現状第1位に繰り上がったはずであり、「王室」という部分を軸にしたこれからの物語において欠かせない存在となるのは確実と思われるし、そこでアンジェやプリンセスと通ずるものを持つキャラというところに象徴的に位置づけられたのは少なからず多大な意味を持ってくると予想されるんですよねぇ プリンセスが何かしらの困難を前に女王になれないとなった時に、彼女の想いを継承したメアリーが女王になってプリンセスの望みを果たす...みたいな 現状、あくまで例えばの予想ですが

ともあれ、メアリーには普通に幸せになって強く生きて欲しいので、今後の動向には逐一目を光らせたいものです 流石にこんな幼い子を転がしたりしねぇよなぁ?...なぁ?

 

と、ストーリー面で惹きつける部分も多かった今作ですが、その一方で前作以上にスケールアップしたスパイアクションやド派手な演出の数々もそれに劣らぬ大きな見所だったなと個人的に思います。

前作は冒頭の掴みのアクションでしっかり視聴者のボルテージを上げてはきていたものの、全体の比率としては渋めのしっとりとしたドラマで魅せる部分が大きくアクション面は控えめな方だったので、今回その辺のバランスを意識してか、記事冒頭にも述べたアバンのケイバーライト爆弾起爆のシーンをはじめ、前作ラストに登場した謎の黒人ゴリゴリマンとアンジェ達の戦闘中盤の劇場でのターゲット追跡クライマックスの船上での爆破阻止など、爆破爆風が巻き起こりまくる豪快な演出やアンジェ達のアクティブなバリバリのアクションをガッツリと描くパートが多かったのは観ていて非常に楽しくて良かったですね。

とはいえ、まさか火を噴くドラゴン(※舞台装置のドラゴン)とまで戦うことになるとは思ってなかったけども() やっぱ今作、スパイというジャンルとは一線を画した何かを感じる...w でもせっかくこんな大一番があるんだったら、吹き付けられる炎を切り裂き前進し、巨大な竜を真っ二つに叩き斬る竜殺しのちせ殿みたいな絵面も見たかったなぁ!?というのは今作の惜しいところである...え?そうなったらいよいよ何ジャンルのアニメか分からなくなる?そっかぁ...

また派手な演出以外にも、仕掛けられた罠をすんでのところで看破し警戒するドロシーなど、細部の所作でスパイらしい隠密行動を表現した細やかな演出が要所要所で際立っていたのも、スパイ作品の魅力をしっかり押さえた絵作りとして絶妙なところで良きでした。劇場への潜入中、移動の際にドロシーが後ろから誰か来てないか一瞥して確認する動作が入ってるとこが細かな拘りという感じで何気に好き

 

てか今回しれっとフランキーとその部下達が銀幕デビューしておりましたな 最終章への登場は前々から待望してただけに、映画でも相変わらずの癖になる独特なべしゃりとテンションでいてくれたのは凄く安心だった。w

 

これらアクションパートの中でも、黒人ゴリゴリマンとの戦闘は予告映像でもチラ見せされてた場面の一つで個人的に楽しみだったところでしたが、実際の本編でもアンジェの巧みな攻防やちせ殿の相変わらずレベルが違いすぎるガチ戦闘がスピード感満点に描かれていて魅入りましたね。やはりこういう力入った戦闘シーンもたまにあってこそプリンセス・プリンシパルの魅力は引き立つね

しかしゴリゴリ黒人、半分不意を突いたとはいえアンジェを終始圧倒し、途中参戦し真っ向からぶつかったちせ殿をほぼ完封してみせるなど、見た目の圧や殺意バリバリの眼光からして強者感は凄くあったが実際とんでもない実力者でしたなぁ ちせ殿に勝った/張り合ったというのがプリプリ世界における一つの箔だからな...ただのパワータイプの敵というわけでもなく、斧の投擲や爆弾の使用による撤退などの道具を細かく使った隙のない戦術やちせ殿の刀を踏んづけて動きを封じる小技の活用ぶりといったテクニカルな戦闘も得意だったり、見張りのスパイ達を一切物も言わず抜かりなく転がす手際の良さが窺えたりと、ガチのアサシンという感じなので今後も侮れないところです もしメインキャラの誰かと決着をつける時がくるならば、前作におけるビショップ絡みの因縁や現在のストーリーの雰囲気的にアンジェが倒すのが筋という感じあるけど、真のプリプリ最強戦士の名を見せつけるために是非ちせ殿にも一矢報いて欲しいわね

 

そしてクライマックスの船上での爆弾起爆阻止の一連のシーン、話の大詰めを飾る一番の盛り上がりの局面なだけあってここは作画表現にも凄く力が入っており、爆発寸前の爆弾がケイバーライトの緑光で鮮やかに輝く様や蒸気と暴風を吹き荒らす様を繊細な色使いの光の表現や躍動する蒸気の動きの描写によって見事に描き出していたのが見事でありました。ケイバーライト爆弾も重厚感あるデザインからして存在感抜群であり、スチームパンク作品における表現の一つの極致を見たと言っても過言ではないかもしれないなと

シチュエーション的にも前述の爆弾の今にも爆発せんとする様子の圧倒されるような威容に加え、何度も吹っ飛ばされ苦戦するアンジェ、爆破阻止のために全力疾走するちせ殿など緊迫感を煽る描写が盛り沢山で観ているこちらもハラハラさせられとても面白かったです。Cボールの無重力空間展開で暴風を避けながらアンジェが進んでる最中の、アンジェの周囲を蒸気が避けていく演出もSF感マシマシの描写で好き

 

にしても観ていた他の方々も気になったとこだとは思うのですが、ケイバーライトダダ漏れにしながら暴走する爆弾の元へとCボールを熱暴走するほど出力全開にして進んでいくアンジェの目が、緑色に輝いていたのめちゃくちゃに不穏じゃなかったです?(不安)

緑色に輝く目といえば、TV本編第1話(case13)に登場した「ケイバーライト障害」を思い出すところであり、自分のTV本編の当該回の感想レビュー記事(下記リンク参照)でアンジェが最終章でCボールの連続使用によりケイバーライト障害になる可能性を考察したことがありましたが、なんかあながち出鱈目にも思えなくなってきたなぁ...今回は杞憂に終わったけど兆候と思うと不穏さが更に爆上がる...ていうか橘監督がインタビュー(下記リンクのインタビュー参照)で「アンジェもCボールの濃縮されたケイバーライトが漏れ出たらケイバーライト障害になる可能性がある」って示唆してるしなぁ...こわ...

スパイ作戦第1話 - AnDrew’s小生意気レビュー記

『プリンセス・プリンシパル』橘正紀監督インタビュー。6話の悲劇に隠された意外な事実も明らかに - 電撃オンライン

 

と、色々緊迫感や不穏さに満ちていた本作ではありましたが、そんな中でちせ殿がかわいいとこを前作以上に見せてくれてたのが非常に良い清涼剤であり、こちらも本作を代表する見所になってたなと思います(ちせ殿ファンの男の力説)

急ぐ羽目になったので飲もうとしてたコーヒーを一気のぐいっと飲んだ結果すごく苦そうな顔して苦悶したり、「こんがらがるのぉ」みたいな微妙に気の抜けた喋り方をたまにしてたりと、今回はふとした時に漏れ出るちせ殿のちょっと幼い感じというか、等身大の少女的な愛嬌ある言動が沢山あったの凄く良かったんですよねぇ。前作はミッションにかかってる最中の場面が多くてあまりそういう場面はなかったしね 前述のキレキレな戦闘・アクションシーンも沢山あったので、良い塩梅でカッコいいシーンとかわいいシーンがバランス良く入れ込まれてたの実に良き良き

因みに個人的なお気に入りは、劇場に行くとこでアンジェの嘘にあっさりハマってベアトに指摘され「エッ...」みたいな反応してるとこや、船上の人達を逃すために船に火を放った結果思ってたよりも燃やしちゃって「ん!?やりすぎたかのう...」ってアミバみたいなこと言い出すシーンです 前者はちせ殿の性格や普段アンジェ達といる時の扱われ方みたいなものが窺えてなんか良かったし、後者はたまにちせ殿が見せるちょっとズレたとこが緊張感ある場面を良い具合に解きほぐしてくれたのが良い味出してて面白かったですw あとターゲットのヤサにアンジェやドロシーと一緒に突入する直前、会話してたドロシーの言葉に「うん」ってめっちゃ普通の感じで返事返してたのがとても好きなシーンでした(細かすぎて多分伝わらないCH第2章のちせ殿の好きな選手権上位候補)

 

そしてラスト、王族暗殺の最初の標的...と見せかけてその裏で他の王位継承権保有者の抹殺を企てていた影の黒幕、王位継承権第3位のリチャードがそのベールを脱ぎ、プリンセスに忍び寄る...という展開へ。リチャード、今にしてみると怪しいがすぎるくらい怪しいんだけど観てる時は全然気付かなかったから最後少し意表を突かれましたなぁ...予告映像や冒頭で速攻撃たれてぶっ倒れるシーンのインパクトが強くて「死ぬのあっさりすぎね?()」くらいに思ってた時の印象が濃すぎたんだよな 実際のとこあまりにあっさり退場なされたのは如何にも大物っぽく振る舞ってたエドワードの方だったという...()ご愁傷様

エドワード、雰囲気的にはどうも王国とも共和国とも違う軸で動く存在っぽいから第三勢力扱いだと思う(あの辺ちょっと記憶がおぼろげなので違ってたら指摘してくれてるとありがたいです)んだけど、この先の物語でも障害となって立ち塞がるのかなぁ。まぁあのゴリゴリ黒人を直属として有してる以上、少なくとも白鳩とバチバチの関係となることはほぼ確だろうけども

しかしエドワードに思いっきりプリンセスが目をつけられるあの下りで第2章の引きとするあの終わり方はずるいよなぁ...!続き気になんだろうがぁ!?プリンセスの身に危険が付き纏う状況となったこのラストから第3章以降にはどう繋がっていくのか...

 

以上、プリプリCH第2章でした。主役の1人たるプリンセスを取り巻く王室の波乱を描き物語を一気にグッと動かしてきたストーリーが目を惹き、その一方で前作以上のスケールと拘りで描かれるスパイアクションが作品全体を引き締めていた見所多しな作品となっており、今回も非常に楽しかったです。ドラマとアクションとで、前作とはまた違った軸の楽しさが味わえたのが良かったなぁ そういえば今回、アンジェ達ミッション参加組とは別軸でプリンセスについてたこともありベアトがあんま目立った活躍なかったのはちと残念かも 細かいところでの所作は良い味出してたし、プリンセスを任された時の意気揚々とした態度は可愛かったが、是非今後大きな活躍もして欲しいねぇ

プリンセスとの濃い繋がりを得たメアリーに、最終章を大きく動かしていきそうな現状黒幕的立ち位置のエドワードと、今後の物語を牽引していきそうな存在感を放つキャラクターm新たに増え、残りの物語にどう影響を与えていくか楽しみです。

アンジェやプリンセスを包む不穏な空気も含め、次の章も期待しながら待っております

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた